【震災法律相談】地震時の法律問題② 〜賃貸人からの明渡請求〜 ― 2018年11月27日 11:41
1. 地震時の法律問題
前回に引き続き、地震に伴い多く見られる法律相談事例をご紹介します。
2. 大家さんから立ち退き請求
【相談事例】
地震によって、借りている家の一部が壊れてしまいました。
しかし、修理すれば住み続けることはできます。
ところが、大家さんからは出ていくよう求められています。
出ていなかければならないのでしょうか。
【回答例】
まず、賃貸借契約は、借りている家(借家)が壊れてしまったからといって、当然に終了するものではありません。
賃貸借契約が当然に終了する場合とは、賃貸借契約の目的となっている建物が「滅失」して、賃貸借契約の目的を達成することができなくなったときとされています(最高裁昭和42.6.22)。
賃貸借契約の目的物が滅失してしまった以上、もはや貸すことも借りることもできないので、契約を継続する意味がないため、このように考えられています。
したがって、例えば、地震によって借家が滅失してしまった場合には、大家さんは借りている人(賃借人)に建物を使わせる義務が無くなりますし、賃借人も大家さんに賃料を支払う義務を負いません。
そのため、今回の相談事例の場合には、賃貸借契約は契約期間中であれば終了していませんので、大家さんからの求めに応じなくても良いといった回答になります。
また、もし、ちょうど契約更新の時期で、大家さんが契約を更新しないと言ってきた場合であっても、大家さんが更新を拒絶するためには「正当の事由」が必要とされていますので、「正当の事由」が認められない限りは、契約更新を拒絶できません。
なお、「正当の事由」の有無については、大家さんが賃貸借契約を終了させて、この建物を必要とする理由や今までの賃貸借契約の経緯、建物の老朽度、立退料の支払いの有無などを総合的に考慮して判断されますが、一般的には立退料の支払いとその金額の多寡が重要と言われています。
また、そのまま住み続ける場合には、大家さんには修繕義務がありますので、大家さんに壊れた部分を修繕するよう求めることも当然できます。
なお、賃貸借契約が当然に終了してしまう「滅失」とはどういった状態かについては、一般的には、建物の損壊の程度と大家さんの経済的負担の程度を考慮し判断されています。
具体的には、建物の壊れた部分が、賃貸借の目的となっている主要な部分が消失して、もはや賃貸借契約の目的を達せない状態になってしまったのか、修復費用(修復義務は大家さんとなります)はどのくらい掛かるのか、借家の耐用年数や老朽度、家賃が幾らとされているかといった事情を総合的に考えて判断されています。
また、建物が「滅失」してしまった場合には、当然に賃貸借契約が終了するため、大家さんに立退料を請求することはできません。
前回に引き続き、地震に伴い多く見られる法律相談事例をご紹介します。
2. 大家さんから立ち退き請求
【相談事例】
地震によって、借りている家の一部が壊れてしまいました。
しかし、修理すれば住み続けることはできます。
ところが、大家さんからは出ていくよう求められています。
出ていなかければならないのでしょうか。
【回答例】
まず、賃貸借契約は、借りている家(借家)が壊れてしまったからといって、当然に終了するものではありません。
賃貸借契約が当然に終了する場合とは、賃貸借契約の目的となっている建物が「滅失」して、賃貸借契約の目的を達成することができなくなったときとされています(最高裁昭和42.6.22)。
賃貸借契約の目的物が滅失してしまった以上、もはや貸すことも借りることもできないので、契約を継続する意味がないため、このように考えられています。
したがって、例えば、地震によって借家が滅失してしまった場合には、大家さんは借りている人(賃借人)に建物を使わせる義務が無くなりますし、賃借人も大家さんに賃料を支払う義務を負いません。
そのため、今回の相談事例の場合には、賃貸借契約は契約期間中であれば終了していませんので、大家さんからの求めに応じなくても良いといった回答になります。
また、もし、ちょうど契約更新の時期で、大家さんが契約を更新しないと言ってきた場合であっても、大家さんが更新を拒絶するためには「正当の事由」が必要とされていますので、「正当の事由」が認められない限りは、契約更新を拒絶できません。
なお、「正当の事由」の有無については、大家さんが賃貸借契約を終了させて、この建物を必要とする理由や今までの賃貸借契約の経緯、建物の老朽度、立退料の支払いの有無などを総合的に考慮して判断されますが、一般的には立退料の支払いとその金額の多寡が重要と言われています。
また、そのまま住み続ける場合には、大家さんには修繕義務がありますので、大家さんに壊れた部分を修繕するよう求めることも当然できます。
なお、賃貸借契約が当然に終了してしまう「滅失」とはどういった状態かについては、一般的には、建物の損壊の程度と大家さんの経済的負担の程度を考慮し判断されています。
具体的には、建物の壊れた部分が、賃貸借の目的となっている主要な部分が消失して、もはや賃貸借契約の目的を達せない状態になってしまったのか、修復費用(修復義務は大家さんとなります)はどのくらい掛かるのか、借家の耐用年数や老朽度、家賃が幾らとされているかといった事情を総合的に考えて判断されています。
また、建物が「滅失」してしまった場合には、当然に賃貸借契約が終了するため、大家さんに立退料を請求することはできません。
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