【離婚】別居中の児童手当の受給権者について2023年06月26日 17:04

【離婚】別居中の児童手当の受給権者について

 今年、政府は「異次元の少子化対策」を掲げ、「こども・子育て支援加速化プラン」を令和6年度から3年に掛け、集中的に取り組むと発表しました。
 その中には、「児童手当」について、高校卒業まで延長する(現在は中学校卒業まで)、所得制限を撤廃する、多子世帯へ増額するといったものも含まれ、令和5年6月までに具体的内容を確定するとされています。
  
 このように「児童手当」は子育てをする上で、非常に重要な「収入源」であるため、政府としても、子育て支援策として力を入れ、より手厚くしようとしています。

 離婚を前提として子どもを連れ別居をしようとする方にとっても、「児童手当」の受給の有無はとても関心の高いところです。
現に、離婚の法律相談に来られる方の中には「児童手当が夫の口座に入っているのを、私に変更できませんか?」と質問される方が一定数いらっしゃいます。

 これは、夫婦の場合「児童手当」を受給できるのは所得の高い方(生計を維持する程度が高い人と定められています)になるため、夫が受給権者になることが多いことからの質問になります。

 しかし、平成24年4月に児童手当が制度変更され、「別居中の両親が生計を同じくしていないような場合(離婚または離婚協議中につき別居している場合)については、同居している人が児童を養育していると考えられることから、児童と同居している人に支給され」ることになりました(厚生労働省「児童手当Q&A Q7より」)。

 そのため、例えば、離婚協議を申し入れる内容の内容証明郵便の謄本、離婚の調停期日呼出状(家庭裁判所から送られてきます)、家庭裁判所における事件係属証明書、弁護士の証明書などで離婚協議中であることが明かな書類を市区町村へ提出し、「児童手当」の認定請求を行えば、児童と住所が同じ親が「児童手当」を受給することができるようになっています。

 この制度変更は、先程述べましたとおり、平成24年4月になされていますから、変更されて既に10年以上経過します。しかし、未だに役所の窓口の方が知らず、「できません」と断られたということもあるようですから、注意が必要です。

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