【犯罪被害者支援】被害者のために弁護士ができること ― 2018年10月18日 17:01
1.被害者のために弁護士ができること
私が弁護士になってから続けている活動の1つに,犯罪被害者支援があります。
そこで,今回は,弁護士の被害者支援にはどういったものがあるのか,大まかではありますが,ご案内いたします。なお,一部,ほかの地域には無い,札幌弁護士会独自の活動もありますのでご注意ください。
2.様々な支援
(1) 電話で相談したいとき
札幌弁護士会の「犯罪被害者支援委員会」の弁護士が,以下の時間帯で無料法律相談を行っています。また,電話相談だけでは十分でない場合には,面談による相談も行っています(初回は相談料無料)。
電話番号 011-251-7822
相談日:毎週月曜日 午前10時30分~午後0時30分
毎週水曜日 午後5時~午後7時
相談料金:無料(※通信費は別)
備考:祝日、お盆期間、年末年始を除く
注:ご利用は北海道内に在住の方又は北海道内で生じた犯罪の被害に遭われた方に限ります。
【詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail08.html
(2) 弁護士と面談で相談したいとき
札幌弁護士会法律相談センターでは,犯罪被害者支援事件を扱うことに登録した弁護士を紹介する制度があります。
こちらは電話相談は行っておらず,札幌弁護士会法律相談センターに電話申込み(011-251-7730)あるいは札幌弁護士会館2Fへ直接行き受付をすることで,登録弁護士を紹介してもらえます。
申込受付時間:月~金曜 9:00~12:00、13:00~16:00
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail09.html
(3) 弁護士はどういった支援をするのか
ア 被害者参加
まず,既に刑事裁判になっている場合,一定の重大犯罪(例:殺人罪,傷害罪,危険運転致死傷罪など(いずれも未遂を含む),強制わいせつ罪(未遂含む),強制性交等罪(未遂含む),過失運転致死傷罪など)については,「被害者参加」をすることができます。
「被害者参加」をした場合,参加した人は,裁判(公判期日)への出席,検察官に対する意見陳述,情状証人への質問,被告人質問,事実または法律の適用についての意見陳述をすることができます。
この「被害者参加」は弁護士を就けなくてもすることができますが,以下の資力要件を満たせば,国費で弁護士を選任することができます(平成30年10月現在,これを「国選被害者参加」といいます)。
なお,勿論,自費で弁護士を就けることもできます。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後6ヶ月以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 200万円
イ 日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度
このほかに,国からは弁護士費用は賄われませんが,日本弁護士連合会の法律援助事業の中に,次の行為により被害を受けた方またはその親族,遺族が利用することのできる「犯罪被害者法律援助」制度というものがあります。
【対象者の要件】
生命,身体若しくは自由(性的自由を含む)に関する犯罪,ストーカー行為,配偶者(婚姻届出をしていない事実上婚姻関係と同様の事情にある方も含む)からの暴力,痴漢,盗撮などの性的犯罪の被害者
なお,この制度を使う場合にも,上述の国選被害者参加弁護士と同様,一定の資力要件があります(平成30年10月現在)。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後1年以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 300万円
また,この制度は,犯人(加害者)が逮捕,勾留,刑事裁判に掛けられる(起訴される)前にも利用することができるため,援助の対象行為も,被害届提出,告訴・告発,事情聴取同行,検察審査会申立,法廷傍聴付き添い,加害者側との対話,刑事手続における示談交渉(ただし,加害者から示談の提示があったとき),報道機関への対応など幅広いものとなっています。
ただし,この制度を使った場合,弁護士費用については,基本的には被害者に負担を求めない考え方で運用されていますが,負担の有無については法テラスが決定することになっているため,必ずしも無償で使えるとは限らないのでご注意ください。なお,援助活動の結果示談等が成立して,現実に利益が得られた場合は,金額に応じた割合で,法テラスが決めた成功報酬を受任弁護士に支払うことになります。
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.houterasu.or.jp/higaishashien/seido/hanzaihigaienjo/index.html
ウ その他
このほかにも,勿論,自費で弁護士を就けて,加害者に損害賠償請求をすることもできます。また,被害者が資力基準を満たしていれば,法テラス(民事法律扶助制度)を使って,弁護士費用を立替払いしてもらうことができます。
【法テラスについて詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_3.html
なお,私が所属する弁護士法人村上・久保法律事務所においては,いずれの制度も利用することが出来ますので,お気軽にご相談・お問い合わせください。
私が弁護士になってから続けている活動の1つに,犯罪被害者支援があります。
そこで,今回は,弁護士の被害者支援にはどういったものがあるのか,大まかではありますが,ご案内いたします。なお,一部,ほかの地域には無い,札幌弁護士会独自の活動もありますのでご注意ください。
2.様々な支援
(1) 電話で相談したいとき
札幌弁護士会の「犯罪被害者支援委員会」の弁護士が,以下の時間帯で無料法律相談を行っています。また,電話相談だけでは十分でない場合には,面談による相談も行っています(初回は相談料無料)。
電話番号 011-251-7822
相談日:毎週月曜日 午前10時30分~午後0時30分
毎週水曜日 午後5時~午後7時
相談料金:無料(※通信費は別)
備考:祝日、お盆期間、年末年始を除く
注:ご利用は北海道内に在住の方又は北海道内で生じた犯罪の被害に遭われた方に限ります。
【詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail08.html
(2) 弁護士と面談で相談したいとき
札幌弁護士会法律相談センターでは,犯罪被害者支援事件を扱うことに登録した弁護士を紹介する制度があります。
こちらは電話相談は行っておらず,札幌弁護士会法律相談センターに電話申込み(011-251-7730)あるいは札幌弁護士会館2Fへ直接行き受付をすることで,登録弁護士を紹介してもらえます。
申込受付時間:月~金曜 9:00~12:00、13:00~16:00
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail09.html
(3) 弁護士はどういった支援をするのか
ア 被害者参加
まず,既に刑事裁判になっている場合,一定の重大犯罪(例:殺人罪,傷害罪,危険運転致死傷罪など(いずれも未遂を含む),強制わいせつ罪(未遂含む),強制性交等罪(未遂含む),過失運転致死傷罪など)については,「被害者参加」をすることができます。
「被害者参加」をした場合,参加した人は,裁判(公判期日)への出席,検察官に対する意見陳述,情状証人への質問,被告人質問,事実または法律の適用についての意見陳述をすることができます。
この「被害者参加」は弁護士を就けなくてもすることができますが,以下の資力要件を満たせば,国費で弁護士を選任することができます(平成30年10月現在,これを「国選被害者参加」といいます)。
なお,勿論,自費で弁護士を就けることもできます。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後6ヶ月以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 200万円
イ 日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度
このほかに,国からは弁護士費用は賄われませんが,日本弁護士連合会の法律援助事業の中に,次の行為により被害を受けた方またはその親族,遺族が利用することのできる「犯罪被害者法律援助」制度というものがあります。
【対象者の要件】
生命,身体若しくは自由(性的自由を含む)に関する犯罪,ストーカー行為,配偶者(婚姻届出をしていない事実上婚姻関係と同様の事情にある方も含む)からの暴力,痴漢,盗撮などの性的犯罪の被害者
なお,この制度を使う場合にも,上述の国選被害者参加弁護士と同様,一定の資力要件があります(平成30年10月現在)。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後1年以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 300万円
また,この制度は,犯人(加害者)が逮捕,勾留,刑事裁判に掛けられる(起訴される)前にも利用することができるため,援助の対象行為も,被害届提出,告訴・告発,事情聴取同行,検察審査会申立,法廷傍聴付き添い,加害者側との対話,刑事手続における示談交渉(ただし,加害者から示談の提示があったとき),報道機関への対応など幅広いものとなっています。
ただし,この制度を使った場合,弁護士費用については,基本的には被害者に負担を求めない考え方で運用されていますが,負担の有無については法テラスが決定することになっているため,必ずしも無償で使えるとは限らないのでご注意ください。なお,援助活動の結果示談等が成立して,現実に利益が得られた場合は,金額に応じた割合で,法テラスが決めた成功報酬を受任弁護士に支払うことになります。
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.houterasu.or.jp/higaishashien/seido/hanzaihigaienjo/index.html
ウ その他
このほかにも,勿論,自費で弁護士を就けて,加害者に損害賠償請求をすることもできます。また,被害者が資力基準を満たしていれば,法テラス(民事法律扶助制度)を使って,弁護士費用を立替払いしてもらうことができます。
【法テラスについて詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_3.html
なお,私が所属する弁護士法人村上・久保法律事務所においては,いずれの制度も利用することが出来ますので,お気軽にご相談・お問い合わせください。
【震災法律相談】地震時の法律問題① 〜水漏れトラブル〜 ― 2018年10月25日 17:15
1.地震時の法律問題
今年は,7月に発生した西日本集中豪雨や,台風,そして9月6日に発生した北海道胆振東部地震と天災が相次いでいます。
私が所属する札幌弁護士会も,北海道胆振東部地震発生後,地震発生から時を経ずして,被害の大きかった地域へ弁護士を派遣しており,現在も継続した法律相談を実施しています。
また,私自身も,札幌での地震関連での面談,電話での法律相談のほか,厚真町,むかわ町などにも出向き,法律相談を担当させていただいております。
そこで,こうした法律相談の経験などを踏まえ,地震に伴い多く見られる法律問題について,何回かに分けて書かせていただこうと思います。
2.分譲マンションの水漏れトラブル
【相談事例】
地震によって水道管が破裂し,下の階に水漏れしてしまいました。今回のような大きな地震であっても,下の階の人に生じた損害の賠償をしなければならないのでしょうか?
【回答例】
まず,例えば,水道管が老朽化しており,交換しなければいつ水漏れしてもおかしくない状態であることを分かっていながら放置していたような場合には,故意または過失による不法行為責任(民法709条)により,上の階の住民の方は,下の階の被害者に対し,損害賠償責任を負う可能性が高いといえます。
これに対し,大きな地震によって,予期せず水道管が破裂したような場合には,民法717条第1項の土地工作物責任が認められるかが問題になってきます。
なお,建物内の水道管や排水管が工作物に当たるのか否かについては,実は裁判例は分かれています。そのため,以下は,建物内の水道管や排水管が工作物に当たることを前提とした場合を想定し,回答を進めさせていただきます。
土地の工作物に瑕疵があった場合,その所有者は,たとえその工作物の設置や保存について何らの過失が無かったとしても,設置や保存に瑕疵があったことによって被害を被った被害者に損害賠償をする責任があります(これを「土地工作物責任」といいます)。
したがって,たとえ地震といった天災をきっかけにしても,分譲マンションの専有部分から水漏れが発生した場合には,区分所有者である分譲マンションの所有者が責任を負うのが基本となります。
もっとも,従来,これには例外があるとされており,震度6以上の地震であった場合には,不可抗力に基づくものとして所有者は損害賠償責任を免れると考えられてきました。
ところが,阪神淡路大震災において,震度7の地域に存在した賃貸マンションの一階部分が倒壊し,一階部分の賃借人が死亡した事故では,マンションの設置の瑕疵が認められ賃貸人・所有者の土地工作物責任が肯定されています(神戸地裁平成11年9月20日判決,ただし,自然力の寄与度を5割認め,責任の割合は損害の5割とされています)。
また,首都圏でも最大震度6強,東京23区内においても震度5強が観測された東日本大震災においても,住戸内の電気温水器の配管が断裂・漏水したため,階下の原告(賃借人)所有のコンピュータ等が故障し,業務に支障が来したとして,被告会社(住戸の管理会社)及び被告ら(住戸の区分所有者2名)に対し,損害賠償を求めた裁判では,首都圏で震度6強の地震が発生し得ることは想定されていたとして,土地の工作物の所有者(住戸の区分所有者2名)は過失がなくとも工作物責任を負うとして,所有者に損害賠償を認めた裁判例も出ています(東京地裁平成25年2月12日判決)。
したがって,震度6強の地震が頻発している現状から,震度6以上の地震であっても,不可抗力とはいえず,所有者に土地工作物責任がある場合も大いにあり得るため,問題となっている水道管が,その当時発生することが予想された地震動に耐えうる安全性を有していたか否か,個別具体的に検討する必要があると思われます。
よって,今回の相談に対しては,
『大きな地震によって,予期せず水道管が破裂したような場合であっても,分譲マンションの専有部分から水漏れが発生した場合には,区分所有者である分譲マンションの所有者が責任を負う可能性が高い。ただし,個別具体的に事情によっては,不可抗力により責任を免れる可能性があるし,責任を負うとされても,責任の割合が減少する可能性がある。』
という回答になるのではないかと考えます。
今年は,7月に発生した西日本集中豪雨や,台風,そして9月6日に発生した北海道胆振東部地震と天災が相次いでいます。
私が所属する札幌弁護士会も,北海道胆振東部地震発生後,地震発生から時を経ずして,被害の大きかった地域へ弁護士を派遣しており,現在も継続した法律相談を実施しています。
また,私自身も,札幌での地震関連での面談,電話での法律相談のほか,厚真町,むかわ町などにも出向き,法律相談を担当させていただいております。
そこで,こうした法律相談の経験などを踏まえ,地震に伴い多く見られる法律問題について,何回かに分けて書かせていただこうと思います。
2.分譲マンションの水漏れトラブル
【相談事例】
地震によって水道管が破裂し,下の階に水漏れしてしまいました。今回のような大きな地震であっても,下の階の人に生じた損害の賠償をしなければならないのでしょうか?
【回答例】
まず,例えば,水道管が老朽化しており,交換しなければいつ水漏れしてもおかしくない状態であることを分かっていながら放置していたような場合には,故意または過失による不法行為責任(民法709条)により,上の階の住民の方は,下の階の被害者に対し,損害賠償責任を負う可能性が高いといえます。
これに対し,大きな地震によって,予期せず水道管が破裂したような場合には,民法717条第1項の土地工作物責任が認められるかが問題になってきます。
なお,建物内の水道管や排水管が工作物に当たるのか否かについては,実は裁判例は分かれています。そのため,以下は,建物内の水道管や排水管が工作物に当たることを前提とした場合を想定し,回答を進めさせていただきます。
土地の工作物に瑕疵があった場合,その所有者は,たとえその工作物の設置や保存について何らの過失が無かったとしても,設置や保存に瑕疵があったことによって被害を被った被害者に損害賠償をする責任があります(これを「土地工作物責任」といいます)。
したがって,たとえ地震といった天災をきっかけにしても,分譲マンションの専有部分から水漏れが発生した場合には,区分所有者である分譲マンションの所有者が責任を負うのが基本となります。
もっとも,従来,これには例外があるとされており,震度6以上の地震であった場合には,不可抗力に基づくものとして所有者は損害賠償責任を免れると考えられてきました。
ところが,阪神淡路大震災において,震度7の地域に存在した賃貸マンションの一階部分が倒壊し,一階部分の賃借人が死亡した事故では,マンションの設置の瑕疵が認められ賃貸人・所有者の土地工作物責任が肯定されています(神戸地裁平成11年9月20日判決,ただし,自然力の寄与度を5割認め,責任の割合は損害の5割とされています)。
また,首都圏でも最大震度6強,東京23区内においても震度5強が観測された東日本大震災においても,住戸内の電気温水器の配管が断裂・漏水したため,階下の原告(賃借人)所有のコンピュータ等が故障し,業務に支障が来したとして,被告会社(住戸の管理会社)及び被告ら(住戸の区分所有者2名)に対し,損害賠償を求めた裁判では,首都圏で震度6強の地震が発生し得ることは想定されていたとして,土地の工作物の所有者(住戸の区分所有者2名)は過失がなくとも工作物責任を負うとして,所有者に損害賠償を認めた裁判例も出ています(東京地裁平成25年2月12日判決)。
したがって,震度6強の地震が頻発している現状から,震度6以上の地震であっても,不可抗力とはいえず,所有者に土地工作物責任がある場合も大いにあり得るため,問題となっている水道管が,その当時発生することが予想された地震動に耐えうる安全性を有していたか否か,個別具体的に検討する必要があると思われます。
よって,今回の相談に対しては,
『大きな地震によって,予期せず水道管が破裂したような場合であっても,分譲マンションの専有部分から水漏れが発生した場合には,区分所有者である分譲マンションの所有者が責任を負う可能性が高い。ただし,個別具体的に事情によっては,不可抗力により責任を免れる可能性があるし,責任を負うとされても,責任の割合が減少する可能性がある。』
という回答になるのではないかと考えます。
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