【犯罪被害者支援】DV被害相談について② ~DV被害に遭ってしまったら~2019年12月09日 09:07


 【犯罪被害者支援】DV被害相談について①では,DV,DV防止法について述べさせていただきました。
 そこで,今回は,具体的にDV被害に遭ってしまった場合,参考にしていただきたい情報を述べさせて頂きます。

1.病院の受診

  まず,暴力を受けた場合,怪我をした部位を写真撮影するほか,病院で診察を受け,その際,怪我を負った経緯を医師に申告してください。また,身体に対する暴力ではなく,繰り返される精神的な暴力によって精神疾患を患ってしまった場合にも,同様に病院での受診をお勧めいたします。

2.警察への通報・相談

  暴力が繰り返されている場合には,事前に最寄りの警察署に相談し,通報すればすぐに駆け付けてもらえる制度を利用することができる場合があります。

  また,被害届の提出で刑事事件になる場合もあるでしょうし,刑罰法令に触れない事案であっても,警察は事案に応じて適切な自衛策,対応策を講じており,例えば,当事務所(弁護士法人村上・久保法律事務所)所在地の警察,北海道警察では,被害者が110番通報・要請した際には,現場に急行し,加害者に注意を与え,場合によっては加害者を検挙するといった対応を行っています。

3.各種相談先の紹介

  当事務所(弁護士法人村上・久保法律事務所)所在地の北海道あるいは札幌市の方向けですが,避難する際に参考にしていただきたい,一時保護施設や民間シェルターについては,以下のサイトが参考になりますので参照ください。

  北海道
  http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/dms/djb/dv/dv_soudan.htm

  札幌市
  http://www.city.sapporo.jp/shimin/danjo/boryoku/sodan/

  なお,シェルターなどに避難することが困難でほかに避難場所がない場合には,警察において「一時避難等にかかる公費負担制度」というものがあり,公費で宿泊施設に泊めてもらうことはできる場合があります(危険性,切迫性が高い事案など)。

4.注意しなければならないこと

  住所を変更する場合,住民票の異動はなるべくされない方が良いと思われます。
  子どものいるDV被害者の方から,「学校などの転校のため」というお話を聞くことがありますが,転入学については,住民票を異動しなくてもできることが多いです。また,「生活保護を受けるのに」というお話も聞きますが,こちらも住民票を異動させなくとも問題ありません。

  なお,住民票を異動させなければならない場合には,「住民票等の写しの閲覧・交付制限の制度」を利用されるようにしてください。この制度を利用するためには,警察,配偶者暴力相談支援センターへの相談が必要です。

  また,加害者の扶養に入っている場合,健康保険証の利用にも注意が必要です。加害者の扶養に入っている健康保険証を利用した場合,医療費通知書によって,いつどこの病院を受診したかが加害者に判明してしまうことがあります。扶養から外れて国民健康保険に入るという方法もありますので,各市町村の国民健康保険課にご相談ください。

  そして,離婚が成立した場合にも,新しい本籍地の定め方に注意が必要です。本籍地を現住所地にしてしまうと,加害者が探し出して追いかけてくるおそれがありますので,本籍地をどこに定めるか,現住所が加害者に判明しないよう配慮が必要となります。

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