【犯罪被害者支援】ストーカー被害相談について ― 2019年06月21日 14:08
1.法テラスによるDV等被害者法律相談援助事業の開設
法テラスの新しい法律相談援助業務として,DV,ストーカー,児童虐待(以下,「DV等」といいます。)の被害を現に受けている疑いのある方への法律相談業務が,平成29年に開始されました。
法テラスの利用には,法律相談であれ代理援助(事件の依頼)であれ,民事法律扶助には資力要件があるのですが,本事業は,以下の条件を満たす場合,原則,申込者の資力に関係なく法律相談援助を受けることができます(注;ただし,一定の資産をお持ちの方には,後日,相談料のご負担を求める場合があるそうです)。
【条件】
① 申込者がDV等被害者(特定侵害行為を現に受けている疑いがあると認められる者)であること
② 被害の防止に関して必要な法律相談であること
③ DV等被害者法律相談援助の趣旨に適すること
そこで,これらDV等について,何回かに分け,書かせていただこうと思います。
2.ストーカー行為とは?
ストーカー規制法では,何人も,つきまとい等をして,その相手方に身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならないとされています(同法3条)。
そこで,まず,ストーカー規制法で禁止される「つきまとい等」とは何か?が問題となりますが,ストーカー規制法第2条では,次のとおりの定義を設けています。
なお,(*)が付いている条項は,平成28年の法改正によって新設された規定となります。
(定義)
第二条 この法律において「つきまとい等」とは,特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で,当該特定の者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し,次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい,待ち伏せし,進路に立ちふさがり,住居,勤務先,学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし,住居等に押し掛け,又は(*)住居等の付近をみだりにうろつくこと。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会,交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五 電話をかけて何も告げず,又は拒まれたにもかかわらず,連続して,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,若しくは(*)電子メールの送信等をすること。
六 汚物,動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し,又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
(*)八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き,その性的羞恥心を害する文書,図画,電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き,又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
(*)2 前項第五号の「電子メールの送信等」とは,次の各号のいずれかに掲げる行為(電話をかけること及びファクシミリ装置を用いて送信することを除く。)をいう。
(*)一 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。次号において同じ。)の送信を行うこと。
(*)二 前号に掲げるもののほか,特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して,その第三者が当該個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものの当該機能を利用する行為をすること。
(*)3 この法律において「ストーカー行為」とは,同一の者に対し,つきまとい等(第一項第一号から第四号まで及び第五号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については,身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。
3.平成28年法改正のポイント
平成28年の法改正の大まかなポイントは,
① 住居等の付近にうろつく行為,SNSやブログにメッセージを送ったり書き込んだりし続ける行為が「つきまとい等」に含まれることになった
② 親告罪とされていたのが非親告罪とされた(つまり,被害者が被害申告をしなくとも刑事訴追される場合がある)
③ 厳罰化した
といった点になります(注;平成28年の法改正はこれらに限られません)。
4.ストーカー被害に遭われたら
ストーカー規制法の成立や法改正の背景には,ストーカーによる殺人事件など,ストーカー犯罪の凶悪化,被害の重篤化があります。
ストーカー規制法が,「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」を必要としているように,ストーカーの行為者(加害者)の感情は,被害者への好意からスタートしています。
しかし,恋愛感情には,執着心や支配欲を伴う場合があり,それ故,好きだという気持ちが,ストーカー行為を繰り返すことによって,攻撃性にシフトチェンジしてしまうのではないか,ストーカーの加害者の心理については,このような分析がなされています。
また,ストーカー行為者は孤独であるからこそ,自分を客観視する機会に欠け,悪質な行為を繰り返してしまうのだといった分析をされている学者の方もいらっしゃいます。
ですから,ストーカー被害に遭われた方は,ストーカーは突然,凶悪化する可能性を秘めていますので,被害が深刻化する前段階から警察に相談されることをお勧めいたします。
なお,警察がどういったことに対応してくれるかといった点ですが,当法律事務所(弁護士法人村上・久保法律事務所)の所在地は北海道ですので,北海道警察の以下のURL
(北海道警察HP ストーカーからあなたを守るために)を添付いたします。
道内の方は参照していただければと思います。
https://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/seian/stoker/stoker.htm
また,正式な統計ではありませんが,行政手続としての口頭警告(警察官からの警告)によって,9割近くのストーカー被害が止むといった報告もありますので,お悩みの方は勇気を持って相談されることをお勧めします。
法テラスの新しい法律相談援助業務として,DV,ストーカー,児童虐待(以下,「DV等」といいます。)の被害を現に受けている疑いのある方への法律相談業務が,平成29年に開始されました。
法テラスの利用には,法律相談であれ代理援助(事件の依頼)であれ,民事法律扶助には資力要件があるのですが,本事業は,以下の条件を満たす場合,原則,申込者の資力に関係なく法律相談援助を受けることができます(注;ただし,一定の資産をお持ちの方には,後日,相談料のご負担を求める場合があるそうです)。
【条件】
① 申込者がDV等被害者(特定侵害行為を現に受けている疑いがあると認められる者)であること
② 被害の防止に関して必要な法律相談であること
③ DV等被害者法律相談援助の趣旨に適すること
そこで,これらDV等について,何回かに分け,書かせていただこうと思います。
2.ストーカー行為とは?
ストーカー規制法では,何人も,つきまとい等をして,その相手方に身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならないとされています(同法3条)。
そこで,まず,ストーカー規制法で禁止される「つきまとい等」とは何か?が問題となりますが,ストーカー規制法第2条では,次のとおりの定義を設けています。
なお,(*)が付いている条項は,平成28年の法改正によって新設された規定となります。
(定義)
第二条 この法律において「つきまとい等」とは,特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で,当該特定の者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し,次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい,待ち伏せし,進路に立ちふさがり,住居,勤務先,学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし,住居等に押し掛け,又は(*)住居等の付近をみだりにうろつくこと。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会,交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五 電話をかけて何も告げず,又は拒まれたにもかかわらず,連続して,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,若しくは(*)電子メールの送信等をすること。
六 汚物,動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し,又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
(*)八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き,その性的羞恥心を害する文書,図画,電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き,又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
(*)2 前項第五号の「電子メールの送信等」とは,次の各号のいずれかに掲げる行為(電話をかけること及びファクシミリ装置を用いて送信することを除く。)をいう。
(*)一 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。次号において同じ。)の送信を行うこと。
(*)二 前号に掲げるもののほか,特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して,その第三者が当該個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものの当該機能を利用する行為をすること。
(*)3 この法律において「ストーカー行為」とは,同一の者に対し,つきまとい等(第一項第一号から第四号まで及び第五号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については,身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。
3.平成28年法改正のポイント
平成28年の法改正の大まかなポイントは,
① 住居等の付近にうろつく行為,SNSやブログにメッセージを送ったり書き込んだりし続ける行為が「つきまとい等」に含まれることになった
② 親告罪とされていたのが非親告罪とされた(つまり,被害者が被害申告をしなくとも刑事訴追される場合がある)
③ 厳罰化した
といった点になります(注;平成28年の法改正はこれらに限られません)。
4.ストーカー被害に遭われたら
ストーカー規制法の成立や法改正の背景には,ストーカーによる殺人事件など,ストーカー犯罪の凶悪化,被害の重篤化があります。
ストーカー規制法が,「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」を必要としているように,ストーカーの行為者(加害者)の感情は,被害者への好意からスタートしています。
しかし,恋愛感情には,執着心や支配欲を伴う場合があり,それ故,好きだという気持ちが,ストーカー行為を繰り返すことによって,攻撃性にシフトチェンジしてしまうのではないか,ストーカーの加害者の心理については,このような分析がなされています。
また,ストーカー行為者は孤独であるからこそ,自分を客観視する機会に欠け,悪質な行為を繰り返してしまうのだといった分析をされている学者の方もいらっしゃいます。
ですから,ストーカー被害に遭われた方は,ストーカーは突然,凶悪化する可能性を秘めていますので,被害が深刻化する前段階から警察に相談されることをお勧めいたします。
なお,警察がどういったことに対応してくれるかといった点ですが,当法律事務所(弁護士法人村上・久保法律事務所)の所在地は北海道ですので,北海道警察の以下のURL
(北海道警察HP ストーカーからあなたを守るために)を添付いたします。
道内の方は参照していただければと思います。
https://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/seian/stoker/stoker.htm
また,正式な統計ではありませんが,行政手続としての口頭警告(警察官からの警告)によって,9割近くのストーカー被害が止むといった報告もありますので,お悩みの方は勇気を持って相談されることをお勧めします。
【犯罪被害者支援】 犯罪被害給付制度 ― 2018年12月25日 18:10
1. 犯罪被害給付制度とは?
通り魔殺人など「故意」の犯罪行為によって、ご家族の方を亡くされたご遺族、あるいは、重傷病を負ったり、または後遺障害が残った被害者の方に対して、国が給付金を支給する制度です。
なお、以下の情報は、平成30年(2018年)10月時点での情報を基礎にしていますが、法律の改正による情報の更新が間に合っていない部分もあるかもしれませんので、ご留意ください。
また、この制度は、要件が複雑なので、ご自身で手続きを進める場合には、申請窓口となる警察の担当部署への事前相談は必須となります。
2. 利用するための要件とは?
【対象となる犯罪】
まず、対象となる犯罪は、人の生命や身体を「故意」に害する犯罪に限定されています。
したがって、例えば交通事故は、故意に事故を起こさない限り「過失犯」ですので、交通事故といった過失犯は含まれないことになります(交通事故の場合、自賠責保険が適用されます)。
【対象となる被害の程度】
また、対象となる被害の程度は、「死亡」、「重傷病」(療養の期間が1ヶ月以上で、かつ入院3日以上を要する負傷または疾病。PTSDなどの精神疾患である場合には、療養の期間が1ヶ月以上で、かつその症状の程度が3日以上労務に服することができない程度であることを要します。)、または「障害等級1級から14級までに該当する後遺障害」に限られます。
【支給を受けられる人】
さらに、支給を受けられる方は、「被害者」または「ご遺族」であって、犯罪があった当時、日本国籍を有する者または日本国内に住所を有する者となりますが(犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条、以下、「犯給法」といいます。)、「ご遺族」の場合、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で第一順に立つ方が支給を受けることになります。
ただし、「ご遺族」の場合、犯罪行為の内容によって、支給が一部または全部を受けられないケースもあります。
以下は、給付金の支給が受けられない、あるいは減額される事案の一例です。
(1)被害者またはご遺族と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む)があるとき
ただし、犯罪行為が行われたときにおいて、親族関係が破綻していたといった特段の事情が
ある場合には一部支給可能な場合もあります
(2)被害者が犯罪行為を誘発したとき、そのほか被害者にも責めに帰すべき行為があった場合
(3)被害者またはそのご遺族などと加害者との関係そのほかの事情から判断して、給付金を支給
することが社会通念上適切でないと認められるとき
(4)被害者などが暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していた場合
3. どういった給付金が受けられますか?
◾️ 遺族給付金
(1)平成30年3月31日よりも前に発生した犯罪行為によって亡くなられた場合
生計維持関係遺族がいる場合
2964.5万円〜872.1万円
それ以外の場合
1210万円〜320万円
(2)平成30年3月31日以降に発生した犯罪行為によって亡くなられた場合
犯罪被害者の収入とその生計維持関係遺族の人数に応じて算出した額(生計維持関係遺族に
8歳未満の遺児がいる場合は、その年齢・人数に応じて加算)
犯罪被害者が死亡前に療養を要した場合は、負傷又は疾病から3年間における保険診療によ
る医療費の自己負担相当額と休業損害を考慮した額の合計額を加算した額
(注記)第一順位の遺族が二人以上いるときは、その人数で除した額となります。
◾️ 重傷病給付金
負傷または疾病にかかった日から1年間における保険診療(※したがって、自由診療や入院時の
病衣代などは含まれません。)による医療費の自己負担相当額と休業損害を考慮した額
ただし、上限額は120万円です。
◾️ 障害給付金
重度の障害(障害等級1給から3給までに該当する後遺障害が)残った場合
3974.4万円〜1056万円
それ以外の場合
1269.6万円〜18万円
4. 支給を受けるためにはどうしたらよいのですか?
給付金の支給を受けるためには、申請書その他必要書類を、お住いの警察署または警察本部に提
出しなければなりません。
なお、給付金の支給の手続きについては、日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度を利用することで、弁護士費用の負担を掛けずに(※同制度においては、弁護士報酬相当分や費用相当分については、被害者の方に負担を負わせないことを基本としています。)弁護士に手続きを依頼することもできます(弁護士法人村上・久保法律事務所においても、犯罪被害者法律援助制度を使うことはできます)。
日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度の詳しい内容については、「【犯罪被害者支援】被害者のために弁護士ができること」もご参照ください。
http://murakamilaw.asablo.jp/blog/2018/10/18/8977728
5. 加害者から賠償を受けたり、労災が支給されてももらえるのですか?
税金を財源としている制度ですので、加害者から賠償金を受けたときなどは給付金の支給は調整されます。また、労災などのほかの法令により給付が受けられる場合にも、その額の限度において給付金は調整されます。
6. 申請に期限はあるのですか?
犯罪行為による犯罪被害の発生を知った日から2年を経過したとき、または当該犯罪被害が発生した日から7年を経過した時はすることができなくなります(犯給法10条2項)。
ただし、加害者により身体の自由を不当に拘束されていたなどの「やむを得ない理由」があり、期限内に申請をすることができなかった場合には、その露優雅止んだ日から6ヶ月以内に限って申請をすることができます(犯給法10条3項)。
通り魔殺人など「故意」の犯罪行為によって、ご家族の方を亡くされたご遺族、あるいは、重傷病を負ったり、または後遺障害が残った被害者の方に対して、国が給付金を支給する制度です。
なお、以下の情報は、平成30年(2018年)10月時点での情報を基礎にしていますが、法律の改正による情報の更新が間に合っていない部分もあるかもしれませんので、ご留意ください。
また、この制度は、要件が複雑なので、ご自身で手続きを進める場合には、申請窓口となる警察の担当部署への事前相談は必須となります。
2. 利用するための要件とは?
【対象となる犯罪】
まず、対象となる犯罪は、人の生命や身体を「故意」に害する犯罪に限定されています。
したがって、例えば交通事故は、故意に事故を起こさない限り「過失犯」ですので、交通事故といった過失犯は含まれないことになります(交通事故の場合、自賠責保険が適用されます)。
【対象となる被害の程度】
また、対象となる被害の程度は、「死亡」、「重傷病」(療養の期間が1ヶ月以上で、かつ入院3日以上を要する負傷または疾病。PTSDなどの精神疾患である場合には、療養の期間が1ヶ月以上で、かつその症状の程度が3日以上労務に服することができない程度であることを要します。)、または「障害等級1級から14級までに該当する後遺障害」に限られます。
【支給を受けられる人】
さらに、支給を受けられる方は、「被害者」または「ご遺族」であって、犯罪があった当時、日本国籍を有する者または日本国内に住所を有する者となりますが(犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条、以下、「犯給法」といいます。)、「ご遺族」の場合、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で第一順に立つ方が支給を受けることになります。
ただし、「ご遺族」の場合、犯罪行為の内容によって、支給が一部または全部を受けられないケースもあります。
以下は、給付金の支給が受けられない、あるいは減額される事案の一例です。
(1)被害者またはご遺族と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む)があるとき
ただし、犯罪行為が行われたときにおいて、親族関係が破綻していたといった特段の事情が
ある場合には一部支給可能な場合もあります
(2)被害者が犯罪行為を誘発したとき、そのほか被害者にも責めに帰すべき行為があった場合
(3)被害者またはそのご遺族などと加害者との関係そのほかの事情から判断して、給付金を支給
することが社会通念上適切でないと認められるとき
(4)被害者などが暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していた場合
3. どういった給付金が受けられますか?
◾️ 遺族給付金
(1)平成30年3月31日よりも前に発生した犯罪行為によって亡くなられた場合
生計維持関係遺族がいる場合
2964.5万円〜872.1万円
それ以外の場合
1210万円〜320万円
(2)平成30年3月31日以降に発生した犯罪行為によって亡くなられた場合
犯罪被害者の収入とその生計維持関係遺族の人数に応じて算出した額(生計維持関係遺族に
8歳未満の遺児がいる場合は、その年齢・人数に応じて加算)
犯罪被害者が死亡前に療養を要した場合は、負傷又は疾病から3年間における保険診療によ
る医療費の自己負担相当額と休業損害を考慮した額の合計額を加算した額
(注記)第一順位の遺族が二人以上いるときは、その人数で除した額となります。
◾️ 重傷病給付金
負傷または疾病にかかった日から1年間における保険診療(※したがって、自由診療や入院時の
病衣代などは含まれません。)による医療費の自己負担相当額と休業損害を考慮した額
ただし、上限額は120万円です。
◾️ 障害給付金
重度の障害(障害等級1給から3給までに該当する後遺障害が)残った場合
3974.4万円〜1056万円
それ以外の場合
1269.6万円〜18万円
4. 支給を受けるためにはどうしたらよいのですか?
給付金の支給を受けるためには、申請書その他必要書類を、お住いの警察署または警察本部に提
出しなければなりません。
なお、給付金の支給の手続きについては、日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度を利用することで、弁護士費用の負担を掛けずに(※同制度においては、弁護士報酬相当分や費用相当分については、被害者の方に負担を負わせないことを基本としています。)弁護士に手続きを依頼することもできます(弁護士法人村上・久保法律事務所においても、犯罪被害者法律援助制度を使うことはできます)。
日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度の詳しい内容については、「【犯罪被害者支援】被害者のために弁護士ができること」もご参照ください。
http://murakamilaw.asablo.jp/blog/2018/10/18/8977728
5. 加害者から賠償を受けたり、労災が支給されてももらえるのですか?
税金を財源としている制度ですので、加害者から賠償金を受けたときなどは給付金の支給は調整されます。また、労災などのほかの法令により給付が受けられる場合にも、その額の限度において給付金は調整されます。
6. 申請に期限はあるのですか?
犯罪行為による犯罪被害の発生を知った日から2年を経過したとき、または当該犯罪被害が発生した日から7年を経過した時はすることができなくなります(犯給法10条2項)。
ただし、加害者により身体の自由を不当に拘束されていたなどの「やむを得ない理由」があり、期限内に申請をすることができなかった場合には、その露優雅止んだ日から6ヶ月以内に限って申請をすることができます(犯給法10条3項)。
【犯罪被害者支援】被害者のために弁護士ができること ― 2018年10月18日 17:01
1.被害者のために弁護士ができること
私が弁護士になってから続けている活動の1つに,犯罪被害者支援があります。
そこで,今回は,弁護士の被害者支援にはどういったものがあるのか,大まかではありますが,ご案内いたします。なお,一部,ほかの地域には無い,札幌弁護士会独自の活動もありますのでご注意ください。
2.様々な支援
(1) 電話で相談したいとき
札幌弁護士会の「犯罪被害者支援委員会」の弁護士が,以下の時間帯で無料法律相談を行っています。また,電話相談だけでは十分でない場合には,面談による相談も行っています(初回は相談料無料)。
電話番号 011-251-7822
相談日:毎週月曜日 午前10時30分~午後0時30分
毎週水曜日 午後5時~午後7時
相談料金:無料(※通信費は別)
備考:祝日、お盆期間、年末年始を除く
注:ご利用は北海道内に在住の方又は北海道内で生じた犯罪の被害に遭われた方に限ります。
【詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail08.html
(2) 弁護士と面談で相談したいとき
札幌弁護士会法律相談センターでは,犯罪被害者支援事件を扱うことに登録した弁護士を紹介する制度があります。
こちらは電話相談は行っておらず,札幌弁護士会法律相談センターに電話申込み(011-251-7730)あるいは札幌弁護士会館2Fへ直接行き受付をすることで,登録弁護士を紹介してもらえます。
申込受付時間:月~金曜 9:00~12:00、13:00~16:00
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail09.html
(3) 弁護士はどういった支援をするのか
ア 被害者参加
まず,既に刑事裁判になっている場合,一定の重大犯罪(例:殺人罪,傷害罪,危険運転致死傷罪など(いずれも未遂を含む),強制わいせつ罪(未遂含む),強制性交等罪(未遂含む),過失運転致死傷罪など)については,「被害者参加」をすることができます。
「被害者参加」をした場合,参加した人は,裁判(公判期日)への出席,検察官に対する意見陳述,情状証人への質問,被告人質問,事実または法律の適用についての意見陳述をすることができます。
この「被害者参加」は弁護士を就けなくてもすることができますが,以下の資力要件を満たせば,国費で弁護士を選任することができます(平成30年10月現在,これを「国選被害者参加」といいます)。
なお,勿論,自費で弁護士を就けることもできます。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後6ヶ月以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 200万円
イ 日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度
このほかに,国からは弁護士費用は賄われませんが,日本弁護士連合会の法律援助事業の中に,次の行為により被害を受けた方またはその親族,遺族が利用することのできる「犯罪被害者法律援助」制度というものがあります。
【対象者の要件】
生命,身体若しくは自由(性的自由を含む)に関する犯罪,ストーカー行為,配偶者(婚姻届出をしていない事実上婚姻関係と同様の事情にある方も含む)からの暴力,痴漢,盗撮などの性的犯罪の被害者
なお,この制度を使う場合にも,上述の国選被害者参加弁護士と同様,一定の資力要件があります(平成30年10月現在)。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後1年以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 300万円
また,この制度は,犯人(加害者)が逮捕,勾留,刑事裁判に掛けられる(起訴される)前にも利用することができるため,援助の対象行為も,被害届提出,告訴・告発,事情聴取同行,検察審査会申立,法廷傍聴付き添い,加害者側との対話,刑事手続における示談交渉(ただし,加害者から示談の提示があったとき),報道機関への対応など幅広いものとなっています。
ただし,この制度を使った場合,弁護士費用については,基本的には被害者に負担を求めない考え方で運用されていますが,負担の有無については法テラスが決定することになっているため,必ずしも無償で使えるとは限らないのでご注意ください。なお,援助活動の結果示談等が成立して,現実に利益が得られた場合は,金額に応じた割合で,法テラスが決めた成功報酬を受任弁護士に支払うことになります。
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.houterasu.or.jp/higaishashien/seido/hanzaihigaienjo/index.html
ウ その他
このほかにも,勿論,自費で弁護士を就けて,加害者に損害賠償請求をすることもできます。また,被害者が資力基準を満たしていれば,法テラス(民事法律扶助制度)を使って,弁護士費用を立替払いしてもらうことができます。
【法テラスについて詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_3.html
なお,私が所属する弁護士法人村上・久保法律事務所においては,いずれの制度も利用することが出来ますので,お気軽にご相談・お問い合わせください。
私が弁護士になってから続けている活動の1つに,犯罪被害者支援があります。
そこで,今回は,弁護士の被害者支援にはどういったものがあるのか,大まかではありますが,ご案内いたします。なお,一部,ほかの地域には無い,札幌弁護士会独自の活動もありますのでご注意ください。
2.様々な支援
(1) 電話で相談したいとき
札幌弁護士会の「犯罪被害者支援委員会」の弁護士が,以下の時間帯で無料法律相談を行っています。また,電話相談だけでは十分でない場合には,面談による相談も行っています(初回は相談料無料)。
電話番号 011-251-7822
相談日:毎週月曜日 午前10時30分~午後0時30分
毎週水曜日 午後5時~午後7時
相談料金:無料(※通信費は別)
備考:祝日、お盆期間、年末年始を除く
注:ご利用は北海道内に在住の方又は北海道内で生じた犯罪の被害に遭われた方に限ります。
【詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail08.html
(2) 弁護士と面談で相談したいとき
札幌弁護士会法律相談センターでは,犯罪被害者支援事件を扱うことに登録した弁護士を紹介する制度があります。
こちらは電話相談は行っておらず,札幌弁護士会法律相談センターに電話申込み(011-251-7730)あるいは札幌弁護士会館2Fへ直接行き受付をすることで,登録弁護士を紹介してもらえます。
申込受付時間:月~金曜 9:00~12:00、13:00~16:00
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.satsuben.or.jp/center/by_content/detail09.html
(3) 弁護士はどういった支援をするのか
ア 被害者参加
まず,既に刑事裁判になっている場合,一定の重大犯罪(例:殺人罪,傷害罪,危険運転致死傷罪など(いずれも未遂を含む),強制わいせつ罪(未遂含む),強制性交等罪(未遂含む),過失運転致死傷罪など)については,「被害者参加」をすることができます。
「被害者参加」をした場合,参加した人は,裁判(公判期日)への出席,検察官に対する意見陳述,情状証人への質問,被告人質問,事実または法律の適用についての意見陳述をすることができます。
この「被害者参加」は弁護士を就けなくてもすることができますが,以下の資力要件を満たせば,国費で弁護士を選任することができます(平成30年10月現在,これを「国選被害者参加」といいます)。
なお,勿論,自費で弁護士を就けることもできます。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後6ヶ月以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 200万円
イ 日本弁護士連合会による犯罪被害者法律援助制度
このほかに,国からは弁護士費用は賄われませんが,日本弁護士連合会の法律援助事業の中に,次の行為により被害を受けた方またはその親族,遺族が利用することのできる「犯罪被害者法律援助」制度というものがあります。
【対象者の要件】
生命,身体若しくは自由(性的自由を含む)に関する犯罪,ストーカー行為,配偶者(婚姻届出をしていない事実上婚姻関係と同様の事情にある方も含む)からの暴力,痴漢,盗撮などの性的犯罪の被害者
なお,この制度を使う場合にも,上述の国選被害者参加弁護士と同様,一定の資力要件があります(平成30年10月現在)。
①資産(現金・預貯金などの流動資産合計)
②費用(犯罪被害に遭ったために,今後1年以内に支出することになる治療費 など)
① - ② < 300万円
また,この制度は,犯人(加害者)が逮捕,勾留,刑事裁判に掛けられる(起訴される)前にも利用することができるため,援助の対象行為も,被害届提出,告訴・告発,事情聴取同行,検察審査会申立,法廷傍聴付き添い,加害者側との対話,刑事手続における示談交渉(ただし,加害者から示談の提示があったとき),報道機関への対応など幅広いものとなっています。
ただし,この制度を使った場合,弁護士費用については,基本的には被害者に負担を求めない考え方で運用されていますが,負担の有無については法テラスが決定することになっているため,必ずしも無償で使えるとは限らないのでご注意ください。なお,援助活動の結果示談等が成立して,現実に利益が得られた場合は,金額に応じた割合で,法テラスが決めた成功報酬を受任弁護士に支払うことになります。
【詳しくはこちらをご確認ください】
https://www.houterasu.or.jp/higaishashien/seido/hanzaihigaienjo/index.html
ウ その他
このほかにも,勿論,自費で弁護士を就けて,加害者に損害賠償請求をすることもできます。また,被害者が資力基準を満たしていれば,法テラス(民事法律扶助制度)を使って,弁護士費用を立替払いしてもらうことができます。
【法テラスについて詳しくはこちらをご確認下さい】
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_3.html
なお,私が所属する弁護士法人村上・久保法律事務所においては,いずれの制度も利用することが出来ますので,お気軽にご相談・お問い合わせください。
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